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生命力を養う『鹿茸(ロクジョウ)』

東洋医学では「腎」を単に腎臓とはみなさず、内分泌系(ホルモン)、生殖器系、免疫系などを含めた生命の源と考え、精力とも一体のものとしてとらえます。心身両面の”バイタリティ”と考えると近いといえます。

人間の一生は、この「腎」に蓄えられている「腎精」(精
力の精)の盛衰にほかなりません。気力、筋力、性的能力などは、三十歳前後にピークを迎えた後は、徐々に衰えていくのです。

この「腎精」を補うことによって加齢曲線をなだらかにする
ことは十分に可能です。その「腎精」を補う働きを持つ漢方薬が『鹿茸(ロクジョウ)』なのです。

腎精には親からもらった「先天の精」と生まれてからは、「後天の精」があります。
腎精が不足すると、疲れや冷え、夜間頻尿などがあらわれます。また不妊症漢方でも最近鹿茸が全国的にも注目を集めています。子供がなかなか授からない方や老化が思ったより早いなどと考えられる方は、腎精不足が考えられ、後天の精を補う必要性があります。
戦後間もない頃の日本人の平均寿命は、およそ五十歳。ところが今では八十歳にも達しています。五十代や六十代で「老年期」突入してしまうわけにはいきません。腎精を補い生き生きとした人生を送ってほしいと思います。

首筋

冠心逐瘀丹(カンシンチクオタン)という漢方薬をご存知ですか?

瘀血(オケツ)というって血液の循環が滞っている状態を改善することを、活血(カッケツ)と言いますが、その活血力がすごいのです!飲んで30分もしないうちに自覚できる人がいます。

年齢56歳女性 頭の後ろが重く、首筋が凝るそして血圧の薬を呑むほどではないものの若干高めの140-85ぐらいです。

冠心逐瘀丹を飲んでしばらくして「どうも首が楽になった」ということを伝えてきて即効性があるな・・・とピン ときたため自分でも飲んでみた。そしたら足のふくらはぎが楽になったような気がしました。30分ぐらいで多分効いたのだと思いますが、気づいたときには良くなってる!忘れてる!という感じでした。

 

 

不妊原因の約半数は男性が持つ「男性不妊」

晩婚化が進む現在の日本は「不妊」という大きな問題を抱えています。不妊原因の多くは女性によるものと考えられてきました。しかし実際には約半数は男性に原因がある「男性不妊」ということがわかりました、現代の不妊を解決するには男性不妊の改善も必須事項である、夫婦一丸となって妊活に励むことが大切です。

 

 

1.男性が持つ不妊原因

不妊原因の多くは女性に原因があると思われていました。しかしWHO(世界保健機構)の調査によると不妊原因の約半数には男性に原因があることがわかりました。

 

男性不妊の種類

男性が持つ大きな不妊原因には「精路通過障害:精子がうまく通れない」「造精機能障害:精子がうまく造れない」「男性機能障害:男性としても役目を果たせない」の3つがあります。

そしてこれらの男性不妊がもたらす不妊原因は、全体の半数にも及ぶと言われています。

つまり、不妊原因の半分は男性の責任となりますので、妊活でお悩みの場合は男女共に原因を調べるべきです。

 

 

 

2.造精機能障害

男性不妊の中には精子をうまく造れない方や精子そのものに元気がない方がおられます。精子を造る器官そのものに問題がある場合や物理的な閉塞で精子が出てこれない場合もあります。

 

無精子症

無精子症には精巣からの精管が詰まり精子を放出できない閉塞性無精子と精巣そのものに精子を作り出す機能が低下している非閉塞性無精子症の2つがあります。

精巣で精子を作り出せない原因としては先天性「染色体異常・遺伝子異常・原因不明」のものや後天性「抗がん剤治療・放射線治療・精巣炎・高熱」による原因がほとんどです。

 

 

乏精子症

精液検査の結果、精子の数が1ml中1500を下回る状態を刺します。検査では数だけでなく、精子の運動率や様々な挙動「直進率・高速性」なども含め総合的に判断し、診断します。

一般的に自然妊娠を果たすには1ml中に4000以上の精子数が望ましく、精子が少ない原因としては精索静脈瘤や精巣の働きが悪い造精機能障害などが多く、原因がわからないことも多いです。

 

 

精子無力症

精液検査の結果、前進する精子の割合が40パーセントを下回ると「精子無力症」と診断されます。

一般的には乏精子症と重なることも多く、何らかの原因で良い質の精が作られないことが原因となります。原因の種類には先天的なものや精巣、前立腺の炎症なども含まれています。

 

 

 

3.精路通過障害

男性不妊の中で割合が多いものに「精路通過障害」があります。精路通過障害にも種類がありますが、物理的に精子が通れない(精液に精子が含まれない)状態のことを言います。

 

精子を作る精巣から精巣上体、精管を通過して射精されます。

この通り道(精管)が炎症などの何らかの原因で詰まってしまい精子が出てこない状態を指します。

一見精子がないので無精子症や乏精子症と同じ結果を招きますが、精路通過障害の場合は治療後に精子数が回復することが多く自然妊娠の可能性も出てきます。

 

 

 

4.男性機能障害

男性不妊には受精に関する精子に問題がなくても、性行為に問題が生じる場合があります。それが「男性機能障害」と呼ばれるもので、EDや射精障害などがあります。

 

勃起障害

夫婦で自然妊娠を望む場合、男性側に勃起障害があると自然妊娠が難しくなります。

勃起障害の原因は「清心的な問題・夫婦の関係性・血流の問題」の3つがあります。改善で効果的なことは気持ちを入れ替えるため、雰囲気を変えると効果的です。

 

 

射精障害

自然妊娠を望む夫婦で意外に多い不妊原因が射精障害です。夫婦で子作りを行なっても射精できなければ受精することができません。

主な原因は「自傷行為・精神的」によって正常な射精ができなくなってしまう方が多いです。

自傷行為が原因の場合、一番の改善方法は自粛することです。精神的な問題では、相手「プレッシャー・焦り」を与えないように配慮しましょう。

 

 

 

5.漢方で改善できる男性不妊

改善ができる男性不妊は物理的な閉塞による精路通過障害ぐらいしかありません。しかし漢方や食事、生活習慣を見直すことで精子の運動率や生産性の改善が見込めます。

 

漢方が得意な男性不妊

漢方薬局で改善が見込める男性不妊原因は「造精機能障害・男性機能障害」です。

造精機能障害に関しては体内バランスを見直すことで良い方向へ改善されることが多く、男性機能障害に対しては血流や精神のケアによって改善が見込めます。

 

当店では夫婦揃って不妊相談に来られるお客様が多くおられます。

不妊のお悩みはナイーブな一面を多く持ちますので、心のケアも必要となります。

妊活でお悩みの場合はお気軽にご相談ください。

笠原清心堂が持つ「漢方の考え方」

皆さまこんにちは、長野の笠原清心堂店主の笠原政秀です。漢方のルーツやお店が持つ漢方処方は実に様々なので、この記事では国際中医師の私、笠原が持つ漢方の考え方と笠原清心堂の治療方針を皆様にお話しさせて頂きます。

 

 

1.漢方とは「ルーツ」

漢方は自然界にある自然の物で作った生薬を組み合わせて作った「自然由来のお薬」です。漢方は中国の伝統医学である東洋医学の数千年にも及ぶ治療の歴史の上に成り立つお薬なのです。

 

生薬とは

中国の長い漢方治療の経験と結果をもとに効果があるとされた自然由来の単体のお薬「植物・動物・鉱物」を生薬と呼びます。

代表される生薬は植物であれば「葉・根」であったり、きのこ類などの「細菌」や「昆虫」、動物では「牡蠣の貝殻(牡蛎)」などがあります。生薬とは何も組み合わせない「単体」の状態を指し、そしてそれぞれを配合して使用するお薬が「漢方薬」と呼ばれるのです。

漢方の定義は原則として2種類以上の生薬を定められた分量で組み合わせて作られたもので、漢方薬には生薬を複合する事で様々な効果が得られる所がおもしろい特徴です。

 

漢方の歴史背景

漢方は中国から渡って来た東洋医学ですが、日本に渡り定着することで日本独自の漢方の考え方も生まれています。

中国漢方

中医学と呼ばれ中国4千年の歴史の中で、結果から生み出された優れた自然由来のお薬なのです。

日本漢方

古代中国から日本に導入されたのは5~6世紀頃です。ここから日本の漢方は日本の風土や気候、日本人の体質に合わせて日本独自の発展を遂げ現在に至ります。

 

今の日本の漢方

上記のような漢方導入の背景はあるものの現代医療で用いられている漢方医学や漢方薬は、日本の伝統医学として独自に発展していった「日本独自の漢方」なのです。

そして以前は病院などでは処方されなかった漢方も現在では保険適用で使えるようになっていますが、まだまだ「種類/知識」共に少ないのが現状です。

つまり漢方専門の薬局/薬店の方が、「漢方に関する知識やノウハウが豊富に蓄積されている」ので漢方でのお悩み相談に役に立てるのです。

 

 

2.中医学(漢方)の治療方法

漢方の診察ではまず舌や脈、おなか(腹診)を診て漢方薬を処方する際に目安にするために体質を診ます。漢方では不調の原因を調べる「気・血・水(き・けつ・すい)」という考えと体力や調べる「症」という考えがあり、これらを組み合わせて体質を判断しています。

 

東洋医学特有の問診項目

元気や気力などの目に見えない生命エネルギーを漢方では「気」と表します。西洋医学で言うと自律神経系のような考え方です。

こちらは血液のことです。漢方では身体を「巡るもの」として重要視される項目となっています。漢方療法の基本は血流改善です。

血液を除く身体に含まれる体液のことで症状で言うと「むくみ・めまい・頭痛・下痢」などのことです。西洋医学では免疫系のような考え方です。

体質・体力・抵抗力・症状の出方を表すもので症には「虚・実」あり、体力や抵抗力がある人を「実症」とし、体力が無く抵抗力が低い人を「虚症」と表します。

 

漢方「中医学」治療で得られる効果

漢方「中医学」の問診/診断を行うことで病の原因となる身体の不調を突き止め、自然の生薬で構成された漢方を処方し回復を目指すといことが漢方による治療です。

つまり漢方による治療とは「病その物」を叩くのでは無く、病に蝕まれる原因となった「身体の弱っている所」を回復させるために漢方薬を処方することにあります。

本来病は自分の身体で治すもので、それは身体が本来持っている自然治癒力を漢方で高めることで病の根本治療を行う東洋医学(中医学)の効果なのです。

 

中医学について詳しく知りたい方は「国際中医師とは漢方のプロフェッショナルを証明する資格」をご参照ください。

 

 

3.笠原清心堂が持つ漢方の考え方

笠原清心堂では中医学メインではありますが日本漢方の良いところも治療方針に取り入れています。漢方治療で一番大切なことは今の日本人の体質に合わせた考えを取り入れ、お客様の体質に合わせた漢方を処方するということなのです。

 

現代の日本人は虚弱体質

経済がめざましく発達しインターネットが当たり前となった現代人はデスクワーク中心の仕事がほとんどで、肉体労働全盛期であった頃よりも体力が少なく体が昔より強くありません。

体力が少ないということは体内でエネルギーの生産量・消費量が少ないということになり、エネルギーを生み出すエネルギー源(食べ物)の消化や吸収の能力も高くはない(胃腸虚弱)ということなのです。

漢方処方は基本的に体力があった頃の体質に合わせて作られているものがほとんどですので、現代人の体質に合わない物も存在します。しかし笠原清心堂では現代人の虚弱体質に合わせた消化・吸収力をフォローしてくれる漢方薬を選び提供させていただきます。

 

漢方についてご興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。

 

 安眠に役立つ「麝香(ジャコウ)」の働き

麝香(ジャコウ)」はその芳香が最大の特徴で、香水の原料にも使われ「MUSK」と呼ばれています。

精神的ストレスや肉体的疲労などによって滞ってしまった「気」の流れを速やかに回復させる本質があります。「気」の流れが滞ってしまうと、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めたり、寝苦しかったり、あるいは急にドキドキしたりすることがよく見られます。「麝香(ジャコウ)」の香りは、これらの症状を改善してくれます。

 入眠後に深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を何度か繰り返して朝を迎えるわけですが、昼間にストレスを受けると半覚醒状態でもあるレム睡眠のときに、神経が興奮し目が覚めたり、目が覚めないまでもなかなか深い眠りに入ることができなくなり、睡眠中に分泌される成長ホルモンが分泌されずに、心身ともに疲れが取れなくなります。このような状態が長引くとホルモンのバランスの乱れや免疫力の低下といった事態も招きかねません。

 これに対し「麝香(ジャコウ)」は、ストレスで乱れた睡眠のリズムを正常化し、ぐっすりと眠ることができる作用があるとされ、江戸時代から使われています。

救心製薬情報誌・丸山運平先生連載参照

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